調号と臨時記号とは
前述のことからト長調の曲は基本的にファがシャープすることが分かります。楽譜にファを書くたびに、#を書いていてはめんどくさいですよね。そのため、音部記号の横に#を書くことでその段のファ全てに#を適用する、というルールがあります。これを調号といいます。
そして、ト長調の中でト調長音階以外の音階や和音を使うときに変化記号が必要になります。これら音符の左に付ける変化記号のことを臨時記号といいます。
調号の書き方、記号の順番を覚えよう
調号は毎回決まった順番で書かれます。上記のト長調を見て分かる通り、1つ目の♯は必ず「ファ」につきます。2つ目はド、というふうに続いていきます。
調号によって変化された音名はオクターブに関係なく効果があります。例えばト長調を表す次の調号は全ての「ファ」が変化されます。
しかし、調号自体がオクターブを変えることは原則ありえません。
伝わりますが、習慣によって違和感が生まれます。
♯系
左からファドソレラミシの順番で♯が付きます。それぞれの距離は5度であることが分かります。
♭系
左からシミラレソドファの順で♭が付きます。それぞれの距離は4度であることが分かります。
調号から調を判別する方法
演奏家にとって実用的で重要なのは「調号を見て調を判断すること」です。プロであれば間違いなく全員がこれを行っています。調が分かるということは、12つの音から7つに絞るということなので、単純に難易度が7/12に下がります。それだけでなく、「次の音が予想できる」「音の役割が理解でき表現力が上がる」などメリットは計り知れません。
判別する簡単な方法を紹介します。
♯系
一番右の♯の2度上が長調の主音になる。これだけ覚えればOKです。
例えば、♯が2つ付く長調を考えてみましょう。
♭系
一番右の♭の5度上が長調の主音になる。これだけ覚えればOKです。
例えば、♭が2つ付く長調を考えてみましょう。
主音に変化記号が付いている場合、調の名前も変わることに注意してください。調号は同じ音名ならば、オクターブに関係なく効果が反映されます。
コメント