楽式論

こんにちは西村です。

  • 暗譜が苦手
  • 作曲しても統一感が生まれない

そんなお悩みありませんか。

実は、楽式論を知っていることで曲全体の組み立て方が分かります。

なぜなら、楽式論とは曲の骨格であり、音楽の起承転結を理解することに繋がるからです。

漫画でも1ページ目から描き始めるのではなく、全体のネームを整え、コマ割りなども決めてからペン入れをします。音楽でも前奏をいきなり作曲するのではなく、全体の構造をイメージしながら作曲することで、無駄なく整った音楽が作られます。

私は、小6から音楽理論を学び始め、作曲をしながらも吹奏楽系のコンクールで10回以上金賞を受賞し、国公立音大へ入学しました。現在は高校音楽にて音楽理論等を教育しています。

この記事では、楽式論のまとめ記事となっていますので、次の項目を全て理解できます。

  • 動機
  • 小楽節
  • 大楽節
  • 1部形式
  • 2部形式
  • 3部形式
  • 複合3部形式

この記事を読むことで、楽式論が理解でき、作曲や演奏時の曲把握が瞬時にできるようになります。根本を解説していますので、クラシックだけでなく、POPsでも同じです。

動機(モチーフ)とは

音楽として成り立つ最小の長さは何小節だと思いますか?

それは2小節です。1小節では音楽として機能しません。なぜなら重心が2つないと比較対象がいないからです。

この2小節のことを動機(モチーフ)といいます。音楽ではこの2小節をいかに作れるかが大切になってきます。どんなに長い音楽も2小節の積み重なりでしかありません。

小楽節とは

小楽節とは2つの動機からなる4小節の音楽のことです。

2つの動機の関係によって2種類の小楽節に分けられます。

AA(前半と後半で似た動機を持つ小楽節)

AB(前半と後半で対立する動機を持つ小楽節)

大楽節とは

大楽節とは2つの小楽節からなる8小節の音楽のことです。4つの動機から構成されるとも言える。

4つの動機の関係によって3つに分けられる。

AAAA(全ての動機が似ている大楽節)

全て同じだと動きが少ないので、しばしば3回目の動機がアレンジされます。

ABAB(前半と後半の小楽節が似ている大楽節)

ABCD(4つの動機全てが対比する大楽節)

一部形式

一部形式とは大楽節1つで構成される曲のことです。

基本的に8小節で構成され、「A」というパターンしかありません。

また、繰り返され「AA」というときもありますが、これも1部形式と判断されます。

童謡などに多い形式です。

二部形式

二部形式とは大楽節2つで構成される曲のことです。

「AB」というパターンしかありません。

「AA」というパターンは前述の通り、1部形式と判断されるからです。

三部形式

三部形式とは大楽節3つで構成される曲のことです。

基本的には次の2つのパターンがあります。

「ABA」

最も基本的な形式と言えます。

Bで大きく発展させても、Aに帰ってくることで安心感や統一感を出しやすいためです。

「ABC」

多くのJ-Popはこの形式を発展させたものと言えます。

Aメロ、Bメロ、サビ、というふうに3つの楽節から成り立ちますよね。

複合三部形式

複合三部形式とは3つの2部形式や3部形式から構成される曲のことです。

  • A(aba) B(cdc) A(aba)
  • A(ab) B(cd) A(ab)

など、様々な構成が考えられます。クラシックのソナタ形式はこれの集大成といえます。ということは古典派の交響曲やピアノソナタなどは、複合三部形式が非常に多いです。

まとめ

音楽とは聴いた傍から消えゆくものです。その中で聴者に覚えてもらうために大事なのが、繰り返すことです。

クラシックはもちろん、多くのPOPsでもAメロ、Bメロ、サビはそれぞれ8小節の大楽節か、大楽節×2で作られています。ぜひ好きな曲の小節数を数えてみてください。

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