すでに学んだ方の中には関係調は実用性がなく、クラシック特有のもとだと感じている人もいますが、それは間違いです。POPsを含め多くのジャンルで多用されていて、非常に実用性があります。むしろ最近のJ-POPsでは使われていない曲のほうが少ないです。
関係調とは
調には長調12種類と短調12種類の計24種類あります。
その24種類の中で調和性が高いものとそうでないものに分かれます。
こういった調と調の関係のことを関係調とよびます。
関係調には仲が良い「近親調」と「遠隔調」の2つに分けることができます。
近親調:主調、属調、下属調、並行調、同主調の5つ
遠隔調:近親調以外の19の調
各音の役割 音度と機能おさらい
ひとつ一つの音には機能があり、主要な機能は次の4つ
- 主音(トニック): メロディーの最後の音は主音で終わる。そうすることで、安心感を感じる。
- 属音(ドミナント): 主音と完全5度上の関係。主音と最も相性が良く、期待感を感じる。
- 下属音(サブドミナント): 主音の完全5度下の関係。主音と属音の間を取り持つような動きが多い。
- 導音: 主音と短2度の関係。7音の中で主音と最も不協和音になる。緊張感を感じることで、主音への推進力が生まれる。
近親調とは
一般にある調には4つの仲が良い調が存在します。これら比較元の調を含めて5つの調のことを近親調といいます。
主調:比較元の調
属調:属音を主音とする調(主音の5度上の音)。主調と比べて♯が1つ増える(or♭が1つ消える)
下属調:下属音を主音とする調(主音の5度上の音)。主調と比べて♯が1つ増える(or♭が1つ消える)
並行調:調号が同じ調のこと。主調が長調の場合は主調の主音の3度下が平行調の主音になる。主調が短調の場合は主調の主音の3度上が平行調の主音になる。
同主調:主音が同じ調のこと。主音は変わらず、長調と短調が入れ替わることになる。
ハ長調の近親調
上の表の主調がハ長調だった場合、次のようになります。
つまり、ハ長調はこれら4つの調へ転調することが多い。また転調だけでなく、一時的に4つの調の固有和音を使うことが多いです(借用)。
練習開始前に主調を判断し、近親調の固有和音を頭に並べる癖をつけると、曲の理解が圧倒的に深まりますよ。
近親調の固有和音
例えばハ長調の場合、
主調(ハ長調)の固有和音:C・Dm・Em・F・G・Am・Bdim
属調(ト長調)の固有和音:G・Am・Bm・C・D・Em・F♯dim
下属調(ヘ長調)の固有和音:F・Gm・Am・B♭・C・Dm・Edim
平行調(イ短調)の固有和音:Am・Bdim・Caug・Dm・E・F・G♯dim
同主調(ハ短調)の固有和音:Cm・Ddim・E♭aug・Fm・G・A♭m・Bdim(7)
コメント