幹音同士の種類

種類とは

度数だけでは不完全なため、種類が必要になります。例えば、ドとレ、ミとファはそれぞれ2度ですが、半音の数で数えると距離が違いますよね。前者を長2度、後者を短2度というふうに種類を付け加えることで、正確な音程になります。

種類は全部で7種類あります。(長、短、完全、増、減、重増、重減)

そしてその7種類はさらに完全系と長短系の2つの系列に分けられます。

1、4、5、8度は完全系

1、4、5、8度は綺麗にハモるため「完全」という種類を付け、完全系と呼ばれます。次のように、物理的に周波数比が簡単な数字になるのです。

完全1度(1:1)と完全8度(1:2)は絶対協和音と呼びます。

完全4度(3:4)、完全5度(2:3)は完全協和音と呼びます。

♯や♭がない幹音(白鍵)で考えたとき、ほとんどが「完全」の種類となりますが、例外が2つだけあります。

下の音からファとシは増4度といいます。他の完全4度よりも半音1つ分増えているため、「増」です。

シとファは減5度といいます。他の完全5度比べて、半音1つ分減っているため、「減」です。

これらの音は悪魔の音程と呼ばれており、クラシック音楽では避けられてきました。3つの全音からなる距離のため、三全音(トライトーンTritone)とも呼ばれています。

物理的にも周波数比が32:45と複雑になるため、不協和音と呼ばれています。この言葉は馴染が深いですね。(平均律の場合は増4度と減5度は同じ距離です。)

※増4度の場合です。減5度の場合は45:62となります。しかし、現在のピアノ調律の基本である平均律の場合は、増4度と減5度は全く同じ距離に調律されます。

この連載の♯2でもお話した通り、しばしばシの音が下げられていたのはこれが原因だったのです。

「シが絡むと完全ではなくなる」と覚えておきましょう。

1、4、5、8度は完全。例外でファシが増4度、シファが減5度。

2、3、6、7度は長短系

2、3、6、7度は長短系といい、種類が「長」か「短」のどちらかが付きます。つまり、どちらが付くのかを判断しなければならないのです。めんどくさそう!という声が聞こえてきましたが、安心してください。最も簡単な方法を詳しく紹介します。

そもそもこれらの度数には長い距離の場合と短い距離の場合があるということです。例えばドとレ、ミとファはどちらも2度ですが、半音の数を比べると距離が長い方と短い方がありますよね。それをそのまま長2度、短2度と呼べばいいのです。つまり、半音の数を数えれば長短の判別ができます。

長短の判別方法は3種類あります。

  • 半音の数を数える(12箇所数える必要があるが、直感的)
  • 黒鍵の数を数える(5箇所を数える、分かりやすい)
  • 黒鍵が無いところを数える(2個所を数えればいい)

ここでは3つめの「黒鍵がないところ」を数えていきます。こちらは覚える分量が少なく、スピーディーに導けだせます。しかし、無いところを数えるためコツが必要です。ですが、この記事では分かりやすい図とともに説明します。

黒鍵がないところ(半音)の数え方

そもそも、ピアノの黒鍵がないところとは、ミとファ、シとドの2個所です。つまり、半音になっている箇所を数えます。次のように隣の白鍵の関係は「全全半全全全半」となります。

例えばレとファの音程を聞かれたとしましょう。

次のようにレとファのそれぞれの中心に線を引いてみると、全音と半音で構成されていることが分かります。

つまり、この場合の半音の数(黒鍵がないところ)は1つといえます。

2、3度は半音数が0か1か

2、3度は半音数が0か1になります。

  • 半音数が0のときは「長」
  • 半音数が1のときは「短」

例えば、上記にあったレとファは半音が1つでしたよね。なので、答えは短3度になります。

無いところを数えていますので、半音数が少ない方が長くなります。ここは感覚とズレますので、注意ポイントです。

6、7度は半音数が1か2か

6、7度は半音数が1か2になります。半音数が1のとき長6度か長7度、半音数が2のとき短6度か短7度になります。2、3度とほとんど同じですね。

では問題です。ドとラは何6度でしょうか。種類を答えよ。

答えは長6度。

半音数は1つしかないので、「長」となる。

種類を覚えるための表

以上のことを表にまとめると次のようになります。

半音数 \ 度数2、34、56、7
完全増(ファシ)
完全
減(シファ)完全

音程を導きだす手順

  1. 度数を調べる
  2. 音程間にある半音の数を数える
  3. 表を使い、度数と半音数が交差するところが種類となる

この3つの手順で音程を答えることができます。

複音程の種類

1オクターブを超える音程を複音程と呼びますが、それらの種類は簡単です。1オクターブ以内へと変換して考えます。

例えば次のドと上のレの場合、片方の音を1オクターブ近づけ、ドとレで考えます。

するとドとレは長2度ということが分かりますので、「1オクターブと長

幹音同士の音程まとめ

幹音同士の音程は56種類ありあます。

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